【作品情報】
原題:「遠い空の向こうに」(原題:October Sky)
制作国:アメリカ合衆国
制作年:1999年
上映時間:108分
原作:ホーマー・ヒッカム
「Rocket Boys」
監督:ジョー・ジョンストン
出演者:ジェイク・ギレンホール(ホーマー・ヒッカム)
クリス・クーパー(ジョン・ヒッカム)
クリス・オーウェン(クエンティン・ウィルソン)
ビル・パクストン(フレッド・ヘイズ)
フリーダ・ライリー(ローラ・ダーン) 他
【あらすじ】
1957年の10月、ソ連はスプートニク1号の打ち上げを成功させた。ウェスト・ヴァージニアの炭鉱町コールウッドに暮らす高校生のホーマー・ヒッカムは、夜空を横切るスプートニクを目にし、ロケット作りに夢を抱くようになる。同じ学校の友達ロイとオーデル、それに学校一の変わり者クエンティンが仲間に加わり、彼らはロケットを作ることに青春をかけていく。そんな中でホーマーと父親ジョンの確執、数々の失敗と挫折を繰り返しながらも彼らは少しずつ前進し成長していく。そして彼らの事を見守り、背中を押してくれたのは学校の教師ライリー先生であった・・・
過去の映画鑑賞記
【感想】(ネタバレあり)
夢を追いかけることって本当に素敵なことだと思います。
そんなことを改めて認識させてくれる1本です。
主演のジェイク・ギレンホールはこれが映画初主演。父親と対立しながらも、成長し夢を現実のものにしていく高校生の役を見事に演じています。父親のジョン役はクリス・クーパー。気難しく、不器用な父親の役が見事にはまっていますね。
この作品の見どころは、ホーマーたち「ロケット・ボーイズ」の成長する姿です。素人同然の高校生が、廃線になった路線の線路を売り、金属加工や溶接の技術を覚え、苦手な数学を勉強し、前進していく姿はかっこよく、また羨ましくも映ります。こういうひたむきな姿がうまく描かれているからこそ、この作品はたくさんの人の心を打つんだと思います。
物語のキーパーソンはローラ・ダーン演じるライリー先生で、彼女の存在なしにこの作品は語れません。ホーマーたちを後押しし、立派な人間になってほしいと願うこの先生は本当に教育者の鏡のような人ですね。深いまなざしで訴えかけるようなローラ・ダーンはこの先生にぴったり。作中で彼女はホーマーにこう言います。
「時には他人のいう事を聞いてはいけないの、自分のうちなる声を聞くの。」
こんな言葉を若い人にかけてあげられる大人って、いったいどのくらいいるんでしょうね。この先生がいなければ、彼らのその後の人生は全く違うものになっていたでしょう。作中でも語られていますが、彼女はホジキン病という病にかかり31歳という若さで亡くなっています。もし彼女がもっと生きていれば、もっとたくさんの若者たちの人生を変えていたことでしょう。
信念を決して曲げないこと。
途中で投げ出さないこと。
人の背中を押してあげること。
失敗や挫折を乗り越えること。
そして何よりも一歩を踏み出し、努力していくこと。
青い空に向かって一直線に飛んでいく彼らのロケットは僕たち見るものにそんなことを語っている気がします。