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映画、音楽、本、旅行などの感想等を中心に書きます。雑記ブログです。

映画鑑賞記「エルヴィス」

 

 

 

【作品情報】

原題:「エルヴィス」(原題:Elvis)

 

制作国:アメリカ合衆国

 

制作年:2022年

 

上映時間:159分

 

監督:バズ・ラーマン

 

脚本:バズ・ラーマン
   クレイグ・ピアース

 

出演者:オースティン・バトラー(エルヴィス・プレスリー

    トム・ハンクス(トム・パーカー大佐)

    オリヴィア・デヨング(プリシラプレスリー

    ケルヴィン・ハリソン・Jr(B.B.キング) 他

 

【あらすじ】

 ラスベガスはあるホテルのカジノにて、死を目前に向かえたトム・パーカー。彼は今は亡きロックンロールの大スター「エルヴィス・プレスリー」のマネージャーを務めた人物でした。彼は目を閉じてプレスリーの事を思い出します。

 時は1955年、パーカー大佐はハンク・スノウというカントリー歌手のマネージャーとしてツアーを回っていました。そんな中巡業先のメンフィスで彼はエルヴィス・プレスリーとの出会いを果たします。ラジオから流れてくる音楽、黒人が歌っているかに思われたその曲を歌っていたのがエルヴィス・プレスリーでした。

 パーカー大佐はさっそく彼のステージを見に行きます。プレスリーはピンク色のスーツに、化粧をしたやせっぽちの青年。演奏前に声は震え、客からやじられる始末でしたが、歌い始めると様子は一変。客席のティーンエイジャーたちは、年配の客を尻目に大興奮。これは金になると踏んだパーカー大佐は彼と組み、彼を世の中に出す決意をするのでした・・・

 


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【感想】(ネタバレあり)

 1950年代から70年代にかけて活躍した「ロックンロールの帝王」ことエルヴィス・プレスリーの生涯を描いた作品です。プレスリー役を務めるのは新進気鋭の俳優オースティン・バトラー、悪徳マネージャーのパーカー大佐はトム・ハンクスが演じています。監督は「ムーラン・ルージュ(01年)」「華麗なるギャッツビー(13年)」などの作品を手掛けてきたバズ・ラーマン。オースティン・バトラーにとってこの作品は、今後彼の代表作にもなっていくんじゃないでしょうか。それくらい見事にエルヴィスを演じていました。

 プレスリーがスターとして駆け抜けたその人生を、年老いて死を迎える直前のパーカー大佐が回想する形でストーリーは進んでいきます。貧しかった少年時代、アメリカ南部の貧しい田舎町、そして見世物小屋、メンフィスの熱気。パーカ大佐のマネジメントの元、エルヴィス・プレスリーが何を思い、どんな人生を歩んだのかがよくわかりますね。僕自身、彼のレコードやCDはよく聞きますが、その生涯はあまりよく知りませんでした。エルヴィスがデビューした当時の世間の反応、当時のアメリカ南部の社会情勢、彼を取り巻くたくさんの人々に、色々な出来事。そういったことを理解するのにもいい作品なんじゃないかと思います。そしてエルヴィスは後世のミュージシャンにも多大な影響を与えています。

 

プレスリーの56年、デビューアルバム「エルヴィス・プレスリー登場」

Elvis Presley

ロンドンのパンクバンド「ザ・クラッシュ」のアルバム「ロンドン・コーリング」

London Calling

 

 エルヴィスがデビューした1950年代のアメリカ南部と言えばまだまだ人種差別の激しかった時代。そんな時代の中で黒人音楽のブルースや、リズム&ブルース、そして南部の白人音楽であるカントリーをルーツとしたものがロックンロールであると言われています。そしてロックンロールは主にラジオを通して、全米の若者に大流行していきました。そんな当時の様子は映画「アメリカン・グラフィティ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などでも描かれています。

 


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 面白かったけど、個人的にはもっとライブのシーンや曲を入れてほしかったかな。オースティン・バトラーは見事にエルヴィスを演じていたし、ライブのシーンもかっこよかったけど、せっかくの映画の大画面で歌うシーンがもっと見たかったです。パーカー大佐がいったい何者であったのか、というのも最後まで語られませんでした。そこだけがちょっと残念だったかな・・・

 とはいってもアメリカや日本を始め世界中で愛され、「世界史上最も売れたアーティスト」であるエルヴィスの人生を垣間見ることのできる作品です。成功、苦悩、挫折、愛、別れ、ドラッグ、死・・・。159分と少し長めですが、どっぷりとエルヴィス・プレスリーに浸ってみてくださいね。